メッセージ - B年 年間

今日の朗読では、面白い違いに気づくことができます。それは、第1朗読の預言者エリアの行動パターンと、第2朗読の記者が勧めている生き方の比較です。エリアは無意識のうちに他の人より優れたものになりたかったことが伺われます。先祖より、あるいは同時代の他の預言者に勝るものになることを目指していたと考えられます。他人との比較が私たちの動機付けであるならば、ほとんどの場合エリアのように落胆、挫折で終わってしまいます。

それに対して、エフェスの教会への手紙によると、私たちの生き方を鼓舞するものは、神に倣うものになること、言い換えれば、いかにも神の子供らしく神の真似をすることでなければなりません。それは他の人より完璧であるかどうかは別として、一人ひとり神から望ましい生き方を学び、他の人のためにとか、他の人のようにとか、他の人に褒められるためにではなく、神と共に生きるように訴えられています。ちなみに、この「真似」というのは猿のような真似事ではなく、やはり一人ひとり自分独自の仕方で実現させるクリエイティブな生き方を指しています。

最後の、福音ではそれがどう表現されているかを見てみますと、「自分の命」でも「何かのための命」でもなく、神との命、神の命、すなわち永遠の命というふうに表されています。キリスト者が目指しているはずの生活というのは、神によって養われ、神の力に動かされているものでなければなりません。その手段は色々与えられていますが、中で最高位を占めているのは、やはりご聖体の秘蹟なのです。しかも、ここでいう「永遠の命」はただの死後の限りない命を指しているだけでなく、もっと広く今から始まる豊かな命であり、まさに何かのために捧げる命でもなければ、誰かのような誰かよりも完璧な生活でもありません。むしろ、神と共に、神によって生きる神の命に他なりません。

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