メッセージ - B年 年間

この主日の三つの朗読は、いずれも神が命じられる言葉とその実践がテーマになっています。

第一朗読の申命記では、主が教える掟と法を忠実に守るよう、約束の地に入ろうとしているイスラエルに語りかけられています。

第二朗読の使徒ヤコブの手紙では、「心に植え付けられた御言葉を受け入れなさい」「御言葉を行う人になりなさい」「聞くだけで終わる者になってはいけません」という言葉に見られるように、良い賜物を与えられる、父である神からの言葉を実践するよう招かれています。

そして福音朗読のマルコ書では、ファリサイ派の人々が食事の前に身を清めることに固執して外側の汚れにこだわっていながら、内面の汚れをおろそかにしているのをイエスが見て、「あなたたちは神の掟を捨てて、人間の言い伝えを固く守っている」と非難しています。

私たちは「神に従って正しく生きたい」と考えても、まっすぐ歩いているようで、いつしか横に逸れて行っていることがあるかもしれません。知らないうちに神の掟が自分の掟にすり替わってしまっているかもしれません。そしてその曲がった尺度を、よかれと思って人に押しつけているかもしれません。ですから、私たちはいつも神の御言葉に耳を傾けるよう心がけます。何が私たちに語りかけられているかを識別し続けます。自分に批判的であり続けるのは簡単なことではありませんが、自分のあり方に無自覚・無責任で、「外側」の決まり事を守ることだけにとらわれるなら、イエスが語られているように、私たちの中から出てきているものが私たち自身を汚し、周りの人を汚してしまうことにつながります。

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