メッセージ - C年 四旬節

聖書は信仰の書です。今日の三つの朗読は、いずれも「神を信じる」ということがテーマになっています。
第一朗読の申命記では、モーセが神への信仰を告白しています。モーセにとって神は、苦境にある自分たちの叫びに耳を傾け、救いの手を差し伸べ、導いてくださる神でした。神に導かれてやってきた約束の地を目前にして、そこで取れる初物を献げるようにと、モーセは民に語りかけます。

第二朗読のローマの教会への手紙では、パウロが宣べ伝えている信仰の言葉を伝えています。それは、イエスが主であり、神がイエスを死者の中から復活させられた、ということであり、それを口で公に言い表し、心で信じるなら救われる、と言われています。

ルカによる福音では、荒れ野でイエスが悪魔から誘惑を受けられた話が語られます。食べ物・権力と繁栄・身の安全をちらつかせる悪魔に対し、イエスはただ主なる神に信頼することを選びます。

私たちにとって、主を信じる、神を信じるとはどういうことでしょうか。自分が信じている方は、どういう方でしょうか。表面的に、個人的に益となること、楽なことを信じるのは聖書的ではありません。モーセは荒れ野の厳しい旅の中で神に信頼し続けました。パウロは、十字架につけられて死にいたらされた方の復活こそ救いにつながると力強く語ります。イエスご自身も荒れ野の試練の中で、何か与えられるからではなく、神が神であるからと、悪魔ではなく神の言葉に信頼します。そしてそのイエスの父である神への信頼は、この四旬節に私たちが思い起こす、十字架に示されています。

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